『碑のほとりの歌』の一部


『碑のほとりの歌』上・中・下

のばら匂えり

自性清浄

笹飴よ

又の日

諸のわが宿

初小諸

松下浄土

わらびいただき

 20年の禅修業ののち、祖道師は突然のように信州小諸の懐古園に向い、独自の禅を展開しはじめました。寺もなく檀徒もなく、懐古園の笹薮のもとを「太陽山青空寺」と称して22年、坐禅を組んでは草笛を吹き、「草笛和尚さん」と親しまれて生涯を閉じました。
 この『碑のほとりの歌』は、その風変わりな禅展開の冒頭4年間の歌集で、「野垂れ死の覚悟」で赴いた小諸での心境です。
 昭和38年、作曲の師である渋谷光明氏の死去に伴い、以後、作曲は中止されたようですが、8年後の昭和46年、小諸での作歌ほかを厳選した50曲を、改めて半紙に清書してこの『碑のほとりの歌』がまとめられました。
 製本はご自身が行っていますが、源氏物語や伊勢物語、和歌集などで用いられた粘葉装(でっちょうそう)に近い独特の装幀がなされています。


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